GPT-6の新しいモデルが出たので、性能を試してみたくなった。どうせなら能登に役立ちそうなものを作ろうと、海沿いを走るレーシングゲームをAIチームに任せてみた。

できたゲームは『能登コーストライン』として、誰でも遊べるように公開している。

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もくじ(全 5 節・約 6 分)

01

困りごと

試したのはGPT-6のAstra。日頃からAIを使ったものづくりをしているので、立体の景色や車の動きもどこまで任せられるのか確かめたかった。

ゲームは動くものができてからも、確認と修正が続く。昔、自分でゲームを作ったときに、そこまで作り込むと膨大な時間と費用がかかることを痛感した。そこで今回は初めから「半日で作れる範囲」と決めて、試作することにした。

題材に選んだのは、ツーリングやサイクリングで楽しめる能登の海岸線。地震で隆起し、景色が変わった場所もある。岩の間を抜け、すぐ脇に海が広がる道を、自分で走る遊びにしてみる。「こんな面白い道があるの?」と思ってもらい、現実の能登にも目を向けてもらえたら、復興の一助になるかもしれない。そうした期待を込めたNoto AI自身の試作だ。

材料にしたのは、外浦の道路や海岸を写した写真・動画と、千枚田などを紹介する記事。これらをもとに、ゲームの考案から制作までをAIチームに任せた。

試作後も景色や操作を直していった。

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02

やったこと

目的と時間を決め、AIに仕事を分けて頼む

能登の景色を知るきっかけを作る。その目的と時間の区切りを渡し、AIチームに次の仕事を分担させた。

  • 全体を取りまとめ、ゲーム本体を作る。
  • 道路や景色、産品を調べる。
  • 車体や岩肌、レースで使う道具の絵を作る。
  • 制作とは別の立場で、画面や走り方、道具の動きを確かめる。

主担当が道具を拾う箱や加速の演出を作る間に、別のAIが内浦コースを走って確かめた。見附島が画面に映らないという指摘が出て、直した画面を再び確認し、島と車と前の道が見えるように調整した。

人は返ってきたものを動かし、能登の見せ方や操作で気になったところを伝えた。

外浦・内浦・奥能登一周からコースを選ぶ

写真に、見せたいところと通る順番を添える

資料を渡すときには、どこをゲームにしてほしいのかも言葉で伝えた。

千枚田や海岸ギリギリのコースとかも再現して。能登半島外浦のコースにして。

最初に返ってきた景色には、「もうちょっと能登外浦のリアリティがほしいね」と伝えている。道のすぐ山側には岩や草があり、海側には道より低い岩場と海が広がる。そうした配置を資料と見比べながら、AIに直させた。

写真を渡して終わりにせず、その写真のどこを見せたいかまで伝える。海の色だけでなく、道と岩と海がどう並んでいるかが、今回の勘どころだった。

岩の間を抜け、右手に海が広がる外浦コース

順路もこちらから指定した。珠洲から輪島へ抜ける外浦と、見附島から宇出津へ向かう内浦。さらに、内浦と外浦をつなぐ奥能登一周を加えた。

町並みについては、こう頼んだ。

輪島は輪島の町並みに、宇出津は宇出津の町並みに(大屋根広場とか)寄せる感じのデザインにしたい。

輪島には黒瓦や木格子の商家を、宇出津には大屋根広場と漁港を置く。走る場所が変わると、町の見え方も変わるようにした。どこを通り、何を見せるかは人が決め、景色と車の動きを組み立てる仕事をAIに任せた。

道の形や名所の間の距離は、ゲーム用に組み替えた。

白米千枚田の区間。道の海側に棚田を置いた

遊んだ先に、実物を知る入口を置く

景色を通り過ぎて終わりにはしたくなかった。ゴールしたあとに、白米千枚田や見附島の比較写真を見られるようにした。

揚げ浜塩や輪島塗などの名産品は、レース中に使える道具にした。塩を使うと車が勢いよく走る、といった遊びの役割を付け、ゴール後にはその品物の紹介へ進める。

遊びの中で気になったものを、実物の情報につなげる。景色も産品も、自治体などの公式紹介を開ける形にした。

完走後は名所の写真や産品の紹介へ。写真は石川県ホームページから(2013年・2024年撮影)

03

実際の変化

変わったこと

外浦・内浦・奥能登一周の 3コースが遊べる形になった。写真や言葉で考えていた道を、車を動かして確かめられるようになった。
揚げ浜塩や輪島塗など 8種類の名産品を、レースで使える道具にした。遊んだあとに、品物の紹介も開ける。
白米千枚田と見附島の 2地点は、ゴール後に実物の写真を見られる。コースに合わせて、通った景色を振り返る形にした。

04

つまずいたところと直し方

スマホで触ると画面を見るだけでは分からない不都合が出た

スマホで左右の矢印を押して走ると、いつの間にか指がボタンから外れてゲームが一時停止してしまった。レース中に道具を使うボタンも押しにくかった。

困った操作をそのままAIに伝え、ボタンの配置と指がずれたときの扱いを直した。車を滑らせて曲がる操作が止まらなくなる問題にも、指を離したら操作が終わるよう修正を加えた。

多少の不具合は残るかもしれないが、試作として改善できるところは改善した。

お客さんがスマホで使うものは自分のスマホで最後まで触る。見た目だけでは指が届くか、押し続けられるかまでは分からなかった。使って気づいたことをAIに伝えるのも、作る仕事の一部だった。

05

能登の仕事でどう使えるか

以前にゲームを作ったときと比べると、AIの進歩で、ミニゲームなら少ない費用や手間で試せそうだと感じた。能登の祭りや店でも、たとえばこんな使い方が考えられる。

  • 祭りの開催期間だけ遊べるゲームを作り、その年の出し物や町の見どころを題材にする。
  • 店の定期的なSNS発信に短いゲームを添え、お客さんと遊び方や結果を話すきっかけにする。
  • ゲームをクリアすると景品が当たるキャンペーンを企画する。
  • 店の商品や看板をゲームに登場させ、遊びながら店を覚えてもらう。

まずは店の写真や商品、祭りの見どころを渡し、「誰に、どんなときに遊んでほしいか」を伝える。作る時間を区切り、返ってきたものを自分で触ってみる。能登の小さな店や地域の催しでも、その進め方で試す形を考えられる。

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実践ノート ・ 2026.08.28 ・ 読了 13 分

AIに能登復興を題材にしたゲームを作らせてみたら

能登に来てほしくても、パンフレットは配った人にしか届かないし、地図に印を付けても、行ったことのない土地の名前は頭に残らない。でも、遊んだ場所のことは覚えている。そこでAIに「能登の12か所を巡るゲームを作って」と頼んだ。千里浜も、輪島の朝市も、見附島も、遊びながら通って、名前ごと覚えてもらう形になった。10日でできた。今は誰でも遊べる形にして、noto-quest.pages.dev に置いてある。うまくいかなかったところも全部書く。

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